| 著者名:槙村さとる 出版社:集英社 本体価格:1,100円 (税別)
『白のファルーカ』、『おいしい関係』などでおなじみの漫画家・槙村さとるのエッセイ。仕事で出会ったキム・ミョンガンと、あれよあれよといううちに結婚して、ふたり歩きを始めた後に考えた幸せへの思いを綴っている。表紙のイラストは、ふたりが手をつないで歩いている後ろ姿が載っていてほのぼのとしているが、中には心に突き刺さる言葉が満載だ。もう少しラブラブな愛の本かと思ったが、まったくもってそうではなかった。
ひとりでも幸せ、でも好きな人一緒ならもっと幸せ。それなら、どうしたら幸せでいられるんだ? コミュニケーションとはなんぞや? 思わず我が身を振り返ってしまう、コミュニケーション本なのであった。
中でも私は、槙村さとるが夫にトイレのふたを閉めてほしいと伝えるところと、ケンカをした翌日の話し合いシーンが好きだ。自分の気持ちを伝えたいという強い思いと(わかってよ!という押し付けがましさがないところがいい)、どうやって伝えたら相手の気持ちに届くかを考える冷静な判断力。きちんと向き合ってコミュニケーションをとっててエライなと思う。実行するのは大変そう。だからこそ、そういう人と一緒だったら心地いいだろうなと思う。
同じものを見ても、同じ経験をしても同じように感じるわけじゃない。でも、ただ自分の感情を言葉にしただけじゃ何も伝わらない。なんにせよ、言葉にしなきゃもっと伝わらない……っていう当たり前のことを、改めて考えさせられる。
これを読んで何かを感じた人は、コミック『イマジン』(集英社文庫)、エッセイ『イマジン・ノート』を合わせて読んでみて。恋愛や結婚だけじゃなく、親子や友人関係もコミュニケーションによって成り立っていることを改めて感じさせられるハズ。
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