リョウは「セックスが気持悪い」とわたしにいった。「できない」ともいった。そしてそのまま死んだ。 わたしはリョウが処女のまま死んでたらどうしよう?と馬鹿な心配までしたのだが、Kさんの話ではそうではなかったらしい。M癖があるので、「Kさんはやさしいからそういう性の嗜好が合わない」といわれたことがあるそうだ。 やられた! M癖から「できない」までの間に何があったのか。そいつを聞きださなきゃいけなかった。 いつだって、性は人を語るよ。満月先生、なにやってんの? 子供の頃から苦労してきたリョウは、ある面とても大人だった。あの娘にとって、恋とはなんだったんだろう? 「愛人になろうと思った」といわれて「それは職業じゃないでしょ」と諭した自分の善人さ加減が、今更ながら嫌になってくる。 リョウは、子供の頃の自分の窮状を簡単に救えるような強い男に甘えたかったのだ。そしてリョウの両親は恐らくSMだったのだから…。
馬鹿野郎! 愛人になりたいなら、なっておきやがれ! なってから悩みやがれ! SMならSMをやりやがれ! 馬鹿なら馬鹿になりやがれ! それしか未来を描けなかった自分を悔いるなら、勉強しろ! やたらに虚しい。いつだって、時間は逆回りしないのさ。
― Produced by 満月 ―